血圧不安症とその解消方法
血圧は1回目に測るよりも2回目の方が低いことが多いと思います。ところが、中には2回目の方が高くなる方もいます。
これは何故かというと、恐らく、1回目に計測した際に数値が高かったり、こんなはずはないと不安になって、何度も血圧を測ろうとすることでむしろ血圧を上げてしまっていることが考えられます。
いわゆる血圧不安症というものです。
何故不安になると血圧が上がるのか?
血圧というのは心理状態に大きく左右されます。また、血圧は常に一定ではありません。1日の間に10万回も変わっていると言われています。これを血圧日内変動と言います。
また、血圧は緊張したり不安になると高くなるという特徴があります。白衣高血圧などはまさにそのよい例です。医師の前だと緊張してしまい数値が高くなることがあるのです。
このようにストレスであったり、不安などによって血圧が上がるのは、そもそも血圧が自律神経によってコントロールされているためです。
自律神経には2つの種類があります。交感神経と副交感神経です。このうち、交感神経が優位になると血圧は上がり、副交感神経が優位になると下がります。
交感神経が優位になるのは、怒ったり、不安になったり、緊張したり、ストレスを感じている時です。逆に副交感神経が優位になるのは、リラックスしている時なんですね。
ですから、血圧の数値に不安を感じて何度も計測すると、血圧はどんどん高くなっていきます。でも、それは不安になったからですから、心配になって病院で計測してもらったら、いつも通りだった・・・ということがよくあるようです。
1度に3回以上測らない
さて、血圧不安症の対策ですが、血圧の数値が気になっても1度に計測するのは2度までにしましょう。
中には、不安になって1時間おきに計測する方もいらっしゃいますが、計測するのは血圧測定方法と測定時間についてでご紹介したように、朝と夜だけにします。そして、1度に計測するのは2回だけ。
ただ、まだ不安が残る・・・という方もいらっしゃると思うので、次に不安の解消方法についてご紹介したいと思います。
不安には対策を練る
不安というのは人間に備わっている機能ですから、厳密に言えば、なくすことなどはできません。ですから、まず、不安になるのは人間なら当たり前だ・・・と諦めてしまうことです。
不安というのはどうにかしようと考えるからどんどん膨らんでゆきます。しかし、不安というのは1つのシグナルの役割を果たしている重要なもの、人間には大切なものです。
不安は、何か対策を立てなさい・・・というサインなんです。
例えば、夜道を一人で歩くときは不安になります。これは、一人で歩いていいかどうか考えた方がいい、危険かも知れないよ・・・という大事なサインなんです。
ここで、そうかよく考えてみよう。やっぱり明るい道を歩こう・・・とか、友達数人と一緒に帰ろう・・・という風に不安に対する対策を練れば、不安は少しづつ薄れてゆきます。
ところが、対策を練らずに、怖がっちゃだめだ、不安になっちゃだめだ・・・と不安をなくそうとすると、不安はどんどん大きくなります。
これは血圧不安症にも同じことが言えると思うんです。
数値が測る度に高くなってゆくのは不安をどうにかしようとしているからだと思うんです。だから、血圧を測定する時は「不安に思うのは当たり前」と諦めてしまうこと、不安を受け入れてしまうことです。
そして、数値を見た際にやや高めだったとか高いと思った時は先ほどの夜道のお話のように対策を練ります。
じゃあ、生活習慣を見直そうとか、塩分をどれだけとっているかもう一度考えてみようとか、医師に相談して運動をはじめてみよう・・・という風に対策を立てることです。
対策を立てて、それを実践しないから、毎日血圧を測定する際に不安で仕方がなくなるのだとしたら、対策を立てることでその不安も少しづつ薄れてゆくと思います。