塩分の取りすぎで何故血圧が上がるのか?その仕組みはこれ
高血圧というと、塩分のとり過ぎ・・・とすぐに誰もが思いつくかも知れません。しかし、何故、塩分を過剰摂取してしまうと血圧が上がるのか理解していない方も多くいらっしゃるのではないでしょうか?
塩分の取りすぎだと日頃からちょっと心配になったりはしませんか?
あなたは1日どの位の塩分を摂取しているのでしょうか?
日本人の塩分摂取量は他国と比べても多いことが調査から分かっています。WHOは1日5グラムから6グラムの塩分摂取を理想としていますが、日本人の場合は1日10グラム以上摂取しています。
摂取量は男性の方が女性よりも多く、さらに年齢が高くなればなるほど塩分取りすぎの傾向にあることも分かっています。
塩分を殆ど取らない国では高血圧も殆どない
以前にもご紹介しましたが、塩分を殆ど取らない国では高血圧も殆どないといったことが調査から分かっています。
ただ、塩分取りすぎといっても健康なら大丈夫・・・と安心している方もいるかも知れませんが、塩分はそれ自体が血圧を上げる効果を持っています。塩分の取りすぎになると血管の壁が厚くなり、血圧が上がるのですが、それは塩分の取りすぎが引き起こすことの1つでしかありません。
他にも血圧を上げる要因というのを塩分はもっています。ただ、人によっては塩分の影響を受け難い「食塩非感受性タイプ」の人や塩分の影響を受けやすい人もいます。高血圧には遺伝も関係しているのです。
ただ、高血圧ではないからといって安心して塩分を取りすぎていては血管に負担をかけ続けます。まずは自分が1日に摂取している塩分を知ることからはじめましょう。
さて、血圧を上げる仕組みは大きくわけて2つあります。
1.血液量が増加して血圧を上げる
1つ目の理由は血液量の増加にあります。塩分の多い料理、例えば、ラーメンの汁まで全部飲んでしまったりした時を思い出してみてください。食べた後にのどが乾いたと思います。
塩を摂取すると、体内でその塩は塩素とナトリウムにわかれます。そして、過剰に摂取してしまうと、血液中のナトリウム量が増加します。
血中のナトリウム量が増加すると、今度はその濃度を薄めようとして体内にある水分が血管に移動します。こうすることで血中のナトリウム濃度を下げてくれます。また、体内の水分が血管に移動することで喉も乾きます。
ラーメンの汁まで飲んだ後に喉が渇くのはそのためだったんです。
ここまで見たら何も問題ないように思いますが、血管内に水分を集めた結果、血液量が増加することになります。その増加した血液を体中に循環させるために心臓はより強い力で血液を送り出すことになりますが、これが血圧を上げてしまう理由なんです。
2.血管の壁がむくむ
もう1つの理由は血管の壁に関係します。塩分をとり過ぎてしまうと、血液中にナトリウムが増加し、そのナトリウムが血管壁にある細胞の中に水と一緒に入り込んでしまいます。
そうなると、血管の壁がむくんでしまうことになります。血管の壁がむくむと、血液が通る道も当然狭くなるわけで、結果的に血圧も高くなるというわけです。
他にも、ナトリウムによって血圧を上げるホルモンが分泌されたり、交感神経が刺激されることで、末梢血管が収縮する・・・と指摘する専門家もいます。
ただ、いずれにしてもこういったことが重なって血圧は上がってしまう・・・ということになります。健康だから、塩分をとり過ぎても大丈夫・・・というわけではないということですね。
- 塩分の多い食品表(主に単品など)
- 食品中の塩分表(こちらは料理の一覧)
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