高血圧と脳梗塞・脳出血の関連性
高血圧の合併症で一番多いのが脳梗塞などの脳卒中です。脳卒中は脳梗塞、脳出血、くも膜下出血をまとめた呼び方ですが、この脳卒中の最大の危険因子は高血圧です。
脳卒中は日本人の死因の中でも常に上位にある非常に危険な病気であることは言うまでもありません。
脳梗塞は脳の血管がつまることで起こる病気で脳細胞の一部が壊死します。脳梗塞といってもいくつかのタイプにわかれます。
1つ目は脳塞栓(のうそくせん)と呼ばれるもので、心臓にできた血栓が流れてきて詰まるタイプで、2つ目は脳血管にできた血栓そのものが原因となる脳血栓。3つ目はラクナ梗塞とよばれるものですが、脳の細い血管が詰まることで脳に小さな梗塞ができます。
特に3つ目のラクナ塞栓は高血圧との関係性も大きいのが特徴です。ラクナ塞栓は小さな脳梗塞といってもいいのですが、症状などがなかったり、あっても軽かったりするため、何度も発症しても気づかないこともありますが、これを繰り返していると非常に危険な状態にもつながります。
また、脳卒中で亡くなった方を調査した結果、男性は圧倒的に月曜日に発作を起こした人が多いことが報告されています。その原因は月曜日の仕事のストレスが挙げれらるのかも知れません。
特に高血圧の方は、月曜日には無理な仕事を極力入れないような工夫も必要かと思います。
脳梗塞の予防について
脳梗塞の危険を高める要因にはどんなことが挙げられると思いますか?
それらは:
高血圧、糖尿病、不整脈、喫煙、過度の飲酒、肥満、運動不足
・・・等が挙げられます。これらの中でも一番の危険因子は高血圧であると考えられていますが、血圧を少しでも低くすることができると脳梗塞のリスクもかなり下がるといったことも分かっています。
脳梗塞ネット(no-kosoku.net)によると収縮期血圧(最高血圧)を5〜6mmHg下げることができると脳梗塞のリスクを42%も減らせることが分かっているのだそうです。
それだけに血圧コントロールがいかに重要かがわかると思います。
また、脳梗塞の危険因子は高血圧だけではありません。ほかにも冒頭で挙げたように糖尿病や不整脈など様々な要因があります。危険因子があると検査などで分かった場合は医師の指示に従って確実にそのリスクを減らしてゆく、またはコントロールしてゆくことが大切です。
脳出血とくも膜下出血
脳出血を含む脳血管障害は以前は日本人の死因の第一位でした。今でも死因の上位にはいっています。
脳卒中には脳梗塞や脳出血、くも膜下出血が含まれますが、以前に比べると脳出血の割合は減少し、脳梗塞の方が死亡率が高まっています。その原因の1つは食生活の変化と考えられています。それに加えて、高血圧の治療が広く行われるようになったことも挙げられます。
しかし、それでも脳出血がとても危険な病気であることに変わりはありません。
脳出血の殆どは高血圧が引き起こしていると言われるほど、脳出血と高血圧は関連性が深い病気です。
脳出血を含む脳卒中で死亡するリスクは血圧の上昇によって高まるといったデータははっきりと出ています。さらに年齢が高くなるとそのリスクはさらに上昇します。
突然やってくる
脳出血、それからくも膜下出血もそうですが、これという前触れもなく突然やってきて、しかも命を落としてしまうこともあるとても危険の高いものです。
脳出血は午前10時から12時頃に起こりやすいとされていますが、これはその頃が一日の間で一番血圧が高くなる時間帯であるからです。脳出血が起こった場合、頭痛や嘔吐、めまいなどに襲われ、発症した人の30%は重症になるといわれる非常に怖い病気です。
発症後は意識障害が起こる場合がありますし、言語障害や片マヒなどが起こる場合もあります。
一方、くも膜下出血ですが、やはり前触れがないのが特徴。脳は3層の髄膜で覆われていますが、その中の中間のくも膜と3層目の軟膜の間のくも膜下腔で血管が破れて出血するのがくも膜下出血です。
くも膜下出血が起こると、激しい頭痛や吐き気、嘔吐などが起こり、意識を失う場合があります。命を落とす危険が高い病気の1つであることは言うまでもありません。