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高血圧の治療法とは

症状というカテゴリで高血圧の合併症などについては詳しくご紹介してきました。高血圧の治療は合併症を予防するために血圧コントロールを行うことになります。

生活習慣の改善と薬物療法

高血圧の治療は基本的には食習慣や運動習慣などの生活習慣の改善になります。血圧が高いからといっていきなり、「はい。この薬を飲んでください。」といったことには通常なりません。

高血圧の9割を占める本態性高血圧症は原因不明の高血圧ですが、生活習慣を改善することでその数値が下がることが分かっているからです。

ただし、診察時に血圧の数値を含めた合併症のリスクなどに応じて、1)低リスク、2)中等リスク、3)高リスクといった3つに分けられます。低リスクや中等リスクであればまず生活習慣の改善を行いますが、高リスクの場合は薬物治療も同時に行うことになります。

食生活や運動などの生活習慣を改善し、血圧が下がるかどうか様子を見る期間というのも上記のリスクに応じて変わってきます。低リスク群では長めの期間、生活習慣の改善をしてみることもできますが、高リスク群の場合は診断後すぐに薬の投与が行われます。

中等リスク群も低リスク群同様、基本的には生活習慣の改善をまず行いますが、それでも改善が見られなければ、降圧薬を使うことになります。

薬を飲むことになったからといって生活習慣を改善しなくてもいいわけではありません。あくまでも両方行う必要があるのです。 高血圧の治療法の基本は生活習慣の改善ですから。

降圧薬について

降圧薬といってもいくつもの種類があります。それらを簡単にご説明します。

1)血管を広げる薬

・カルシウム拮抗剤・・・血管の収縮を抑える薬
・ARB・・・血圧を調整する仕組みに作用する薬
・ACE阻害薬・・・同じく、血圧を調整する仕組みに作用する薬

2)心拍出量を抑える薬

・β遮断薬・・・交感神経に作用して血圧を下げる薬
・利尿薬・・・体内のナトリウムや水分の排泄を促す薬

などになります。どれを使用するかは患者によって違いますし、どれだけの量を使うかも違ってきます。薬を使った薬物療法では:

・若者・中年者・・・・・・130/85mmHg未満
・高齢者・・・・・・140/90mmHg未満

といった数値を目標とします。

降圧薬というのは治療を早く始めた方が少ない量で済みますので、血圧が高めと健康診断などで指摘された場合は、早い段階で医師に診てもらうべきでしょう。

また、降圧薬も一度処方されたらずっと飲み続けるわけではありません。場合によっては違う薬に変えたり、量を変えたり、副作用がないかをチェックしたり、血圧の数値によっては服用をやめることもあります。ただ、血圧が下がって薬をやめる・・・となった場合は、動脈硬化が進んでいない方、糖尿病だったり、その他の病気がないことが前提となってくると思います。

降圧薬をやめるタイミングというのは医師が決めることです。血圧が下がったからといって自分の判断でやめてしまうと血圧が急に上がる場合もあり、危険です。