血圧と正常値、変動や左右差について

血圧の正常値はどの位でしょうか?実は一言で上がいくつ、下がいくつ・・・という風には言えないんです。ただ、血圧の正常値の基準がないわけではありません。測定する場所などによってその正常値は変わるということなんです。

では血圧の正常値はどの位なんでしょうか?

これについては2つのシチュエーションがあります。1つは病院などの医療機関で計測した場合の血圧正常値。2つ目は家庭で計測した場合の正常値です。一般的に後者の方が数値は下がってきます。

血圧の正常値は日本高血圧学会で基準を定めています。それによると:

■病院での血圧正常値

正常値:上130 かつ 下85mmHg未満

どちらかが超えていてもだめです。さらに正常血圧高値というものが存在します。これは今は大丈夫だけれど、将来的に高血圧になるかも知れないよ・・・という数値です:

正常高値:上130〜139mmHg 又は 下85〜89mmHg

■家庭での正常値

家庭の場合は病院よりも数値の基準が低くなります:

家庭での血圧正常値:上125 かつ 下80 mmHg未満

家庭では135/85 mmHg以上だと治療対象となります。この数値だと脳卒中などのリスクが高くなるためです。

変動について

血圧日内変動についてでも書きましたが、血圧は1日の間でも変動していて、通常は朝起きてから高くなり、夜になると下がります。寝ている間が一番血圧が低いことになるわけです。

この変動を調整しているのは自律神経でしたね。血圧の変動にかかわっているのはこの自律神経だけではありません、ほかにも様々な要因があります。

血圧が上がったり下がったりするのには血管抵抗もかかわっています。この血管抵抗とは抹消の毛細血管に血液が流れ込んだ際の抵抗のことです。

以前にあったエピソードをご紹介します。ある女性がいました。この女性は高血圧と診断されていていつも血圧を測っていたのです。ところがある日いつもよりも明らかに血圧が高いではありませんか。

彼女は気になって医師に見てもらったのですが、それでも1週間同じような状態が続きました。

ある日、知人が遊びにきて部屋が少し寒いのではないかと言いました。その日から彼女はストーブをつけて部屋を暖かくしました。すると血圧が元のように戻ったのです。

彼女の場合は(気づかないほどの)寒さに毛細血管が収縮してしまい、血圧が上がっていたのです。

このように寒いところでは血管が収縮して血圧はさがりますし、暖かいところいいるときは血圧も下がります。

左右差について

血圧は毎回一定ではなく、常に変動しています。ですから、例えば病院で一回測定した数値が高かったからといってあなたが必ずしも高血圧であるとは限らないわけです。

血圧は測定した状況や時間などに応じても変化します。では血圧の左右差についてはどうでしょうか?左右差とは、右腕で測った時と左腕で測った時の差のことです。

血圧は健常者であっても左右の腕の差があることがあります。そのため、血圧を測るときにはどちらかの腕と決めておく必要があります。

左右差があるかどうかは左右の腕を交互に2回もしくは3回計測してみます。この時の数値に左右の差があるようであれば医師に相談してください。

数値が大きい場合は何かしらの原因がある場合もあるからです。医師に相談した後は数値が高くでるほうの腕で計測するようにするといいでしょう。