仮面高血圧と早朝高血圧、夜間高血圧について

仮面高血圧は以前にご紹介した白衣高血圧と似ていて異なるという状態です。どちらにも共通しているのはある特定の場所で計測すると血圧が上がる・・・という点です。

仮面高血圧とは白衣高血圧とは逆で病院で測定すると正常値であるにもかかわらず、家庭では高血圧という状態のことをいいます。その状態が、まるで仮面をかぶっているようであることから仮面高血圧と呼ばれます。

特徴について

仮面高血圧は何故病院で数値が正常なのに家庭で高いのでしょうか?その原因としてはいくつか考えられますが、その1つ目がストレスです。ストレスが高い人は血圧も高いという傾向にあります。

普段いる状況というのが仮面高血圧の人にとってはストレスの高い状態(職場や家庭でのストレスなど)でも病院ではそういった状況から一時的に解放されるわけですから、結果として血圧がいつもよりも低くでてしまうというものです。

2つ目にあげあられるのが喫煙です。喫煙は血圧を上げるという効果があります。勿論、血管も痛めますし、がんの原因にもなります(もっとも喫煙者はそういったことは知っているものですが)。しかし、病院では禁煙ですから、血圧は一時的に下がります。

仮面高血圧の人は高血圧患者の1割程度と考えられていますが、この仮面高血圧の人には早朝に血圧が高くなるタイプ(早朝高血圧)も多いのが特徴です。いずれにしても、重要な数値を見逃す結果につながる仮面高血圧を放置しておけば、脳卒中や心筋梗塞などのリスクは高くなります。

その予防のためにも必要なのが家庭での血圧測定です。家庭での血圧の測り方などについては後ほどご紹介します。

ガイドラインでは・・・

日本高血圧学会が定めている「高血圧治療ガイドライン2009」によれば、次のようなケースを仮面高血圧と呼びます。

1)診察室での計測した血圧の平均値が140/90mm Hg未満で、さらに

2)家庭での血圧の平均が135/85mm Hg以上の場合か、または、

3)24時間測定した平均血圧が130/80mm Hg以上の場合

ちなみに正常血圧と診断された方のおよそ10%程度は仮面高血圧ではないかと考えられています。

早朝高血圧と夜間高血圧

この仮面高血圧に多くみれらるタイプは早朝に血圧が高くなる早朝高血圧タイプ。早朝高血圧にも2つのタイプがあって、

1) モーニングサージ型・・・起床後すぐに血圧が上がるタイプ
2) 夜間持続型・・・寝てから朝まで血圧がずっと高いタイプ

があります。

仮面高血圧のもう1つのタイプは夜間の血圧が高くなり、昼間はさほど高くない夜間高血圧。

夜間というのは通常は血圧が低くなる時間帯ですが、この時間に血圧が高いと心臓や血管への負担は否が応でも高まります。夜間からから早朝にかけて血圧が高い状態が続く夜間継続型は特に危険です。

夜間持続型を含めて、ストレスが多い人であったり、喫煙者、心臓や腎臓に障害がある人は仮面高血圧の危険性が高くなります。

とにかく、仮面高血圧の場合は仮面をかぶったようにして病院では見つからないので家庭での血圧測定が重要になってきます。測定方法については血圧測定方法を参照ください。 仮面高血圧の場合は、朝に血圧を測ったり、24時間血圧計などを利用するのがおすすめです。

喫煙者に多い仮面高血圧。医師には禁煙や減煙をせまられることもあるかも知れません。禁煙は難しい・・・というイメージがある人がいるかも知れませんが、多くの人が禁煙に成功していますので、怖がらずにまずは禁煙に関する本を気楽な気持ちで読んでみるとよいと思います。